資産推移のグラフを13年ぶん並べたら、増えた年と増えなかった年の理由が全部見えた

毎年、資産推移のグラフを更新しています。

以前、12年ぶんの推移を載せた記事を書きました。あれからまた1年たったので、今年のぶんを描き足しました。ついでに、先日書いたとおり、瞬間風速で1億円という節目もまたぎました。

同じグラフを毎年描いていると、数字そのものより、「線の形」が語ってくることに気づきます。今年は少し踏み込んで、それぞれの年に、市場で何が起きていたかを重ねてみました。すると、増えた年と、増えなかった年の理由が、かなりはっきり見えてきました。今日はその話を書きます。

最初にお断りしておくと、以下の数字はすべて年末時点の概算で、市場の解説も、あくまで私が振り返って感じたことです。将来の成果を保証するものではありません。

目次

13年ぶんの数字を、市場の動きと並べてみる

まず、数字と、その年に何があったかを、一つの表にしてみます。

資産額増加額その年、市場で起きていたこと
2014年1,023万円金融緩和で株高の年
2015年1,135万円+112万円夏にチャイナショック。後半は荒れた
2016年1,635万円+500万円年初に急落、後半は選挙後に回復
2017年2,207万円+572万円世界同時好況。穏やかな上昇が続いた
2018年2,273万円+66万円年末に世界同時株安。ほぼ増えず
2019年2,603万円+330万円緩和で回復。年間では上昇
2020年2,780万円+177万円コロナショックとV字回復の年
2021年3,692万円+912万円緩和相場でよく伸びた
2022年5,237万円+1,545万円世界的に株安。でも円安が下支え
2023年6,200万円+963万円生成AIブームで上昇
2024年7,580万円+1,380万円新NISA開始、円安も継続
2025年9,012万円+1,432万円相場は総じて堅調だった

こうして並べると、増加額の大小が、その年の相場と、きれいに対応しているのが分かります。増えなかった2018年は、年末に世界同時株安があった年。逆に大きく増えた2022年は、株そのものは世界的に下がったのに、円安が資産を大きく押し上げた年でした。

グラフは、なめらかな右肩上がりではありません。階段のように、平らな段と、急な段が、交互に現れます。この凸凹こそが、相場と付き合うということの、正直な姿だと思っています。

増えなかった年に、何を感じていたか

グラフの中で、私がいちばんよく覚えているのは、たくさん増えた年ではなく、増えなかった年のほうです。

たとえば2018年。この年は、1年かけて積み立てたのに、資産は+66万円しか増えませんでした。年末に大きな下げが来て、それまでの含み益を、ごっそり持っていかれた年です。当時は、正直こたえました。「これだけ毎月入れているのに、1年でこれだけしか増えないのか」と。積立を続ける意味を、疑いそうになりました。

2020年のコロナショックのときも、そうでした。2月から3月にかけて、資産が一気に3割近く溶けていくのを、ただ眺めているしかなかった。あのときの、胃のあたりが重くなる感覚は、今でも思い出せます。

でも、今こうして13年ぶんの線をつなげて見ると、その足踏みの年も、暴落の年も、ちゃんと線の一部でした。そこで止まらずに、淡々と積み立てを続けていたからこそ、次に来た上昇の波に、乗ることができた。増えなかった年は、失敗ではなく、次の上昇のための「仕込み」の期間だったんです。安く買えていた時期、とも言えます。

もし、あの増えない年に嫌気がさして積立をやめていたら、この後の伸びは、まるごと取りこぼしていたはずです。

後半5年は、前半5年の5倍だった

今回、グラフを見返していて、いちばん驚いたのがこれです。期間を前半と後半に分けて、増加額を比べてみました。

  • 2014年→2018年(前半5年):合計 +1,250万円
  • 2020年→2025年(後半5年):合計 +6,232万円

後半5年の増加額は、前半5年の、約5倍でした。

やっていることは、13年間、ほとんど変わっていません。毎月、決まった額を、淡々と積み立てているだけ。それなのに、増える額そのものが、年を追うごとに大きくなっている。この加速は、いったいどこから来たのか。分解して考えてみると、大きく三つの力が、後半になって重なっていました。

増えた力を、三つに分解する

一つ目は、入金の力です。

これは、いちばん地味で、いちばん確実な力です。毎月、給与から一定額を積み立てる。この入金は、相場が良かろうが悪かろうが、淡々と続いています。前半も後半も、入金額そのものは大きくは変えていません。だから、これは加速の主因ではありません。でも、この「止まらない入金」がベースにあったからこそ、他の二つの力が乗る土台ができました。

二つ目は、複利の力です。

これが、後半の加速の、本丸だと思っています。資産が小さいうちは、5%増えても、たいした額になりません。1,000万円の5%は50万円です。でも、資産が7,000万円まで育つと、同じ5%が350万円になる。同じ相場の上昇率でも、元になる資産が大きいほど、増える「額」は大きくなる。これが複利です。

以前、複利をドラクエの経験値にたとえて書いたことがあります。序盤はスライムを倒しても経験値はわずかだけれど、レベルが上がるほど、一回のバトルで手に入る経験値が桁違いになっていく、という話です。私のグラフの後半は、まさにこの「経験値テーブルの後半」に入った状態でした。

三つ目は、円安の力です。ここは、正直に書いておかなければいけません。

私の資産の多くは、全世界株のインデックスファンドで、その中身の大半は、ドルをはじめとする外貨建ての資産です。そして、この後半5年は、記録的な円安が進んだ時期でもありました。ドル円で見ると、2020年ごろは1ドル100円ほどだったのが、その後150円台まで進んでいます。円の価値が、およそ3分の2に下がった計算です。

これが何を意味するか。仮に、株価そのものがまったく動かなかったとしても、円安が進むだけで、円で見た資産額は大きく膨らみます。私の資産の後半の伸びには、この為替の追い風が、かなりのぶん含まれています。ざっくり言えば、外貨建ての資産が7割あるとして、円安だけで3割以上、円建ての評価額が押し上げられた、という計算も成り立ちます。

つまり、私の後半5年の伸びは、「自分の投資が上手だったから」ではありません。入金という自分の努力に、複利という時間の力と、円安という為替の追い風が、たまたま重なった結果です。この三つ目の力は、自分ではまったくコントロールできない、運の要素でした。

だから、これは「たまたま」でもある

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

13年で資産が約8.8倍になった、と書くと、なんだかすごい成果のように見えます。でも、その中身を分解すると、自分の努力で説明できるのは、「毎月淡々と入金し続けたこと」と「増えない年にやめなかったこと」くらいです。残りの大きな部分は、複利という時間の力と、円安という為替の運が、この13年にたまたま味方してくれた結果でした。

だから、このグラフを「これをやれば誰でもこうなる」という話としては、絶対に書きたくありません。もし、この13年が円高に進む時期だったら、同じように積み立てても、円で見た資産は、もっとずっと小さかったはずです。次の13年が、同じ追い風になる保証は、どこにもありません。むしろ、円安がここまで進んだぶん、これから円高に振れて、資産が目減りする局面が来ても、おかしくない。

再現性があるとすれば、それは成果の大きさではなく、「増えない年があっても、やめなかった」という、その一点だけだと思っています。

来年も、同じようにグラフを描き足す

今年、瞬間風速で1億円という数字にも触れました。でも、このグラフを、市場の動きと重ねて眺めていると、1億円という数字そのものより、線が13年間、一度も途切れずに続いていることのほうが、私にとっては、はるかに大事なことに思えてきます。

暴落の年も、バブルの年も、円安の追い風も、円高の逆風も、これから何度も来るでしょう。増える年もあれば、増えない年もある。為替に助けられる年もあれば、足を引っ張られる年もある。それでも、やることは変わりません。淡々と入金を続けて、線を途切れさせない。

来年も、同じようにこのグラフに1年ぶん描き足します。そのとき、線がどんな形になっているかは分かりません。でも、線が続いてさえいれば、それでいいと思っています。


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