夫婦で年720万を「毎月ほったらかし」で投資している。なのに現金が減らない理由

これまで何度か、夫婦で年720万円を投資に回している、という話を断片的に書いてきました。今日はその「720万円を全自動で回す仕組み」の中身を、ぜんぶ開けてみようと思います。

先に断っておくと、これは共働きだった時期に組み上げた仕組みです。いまは3人目が生まれて、1年限定のセミリタイア中なので、少しルールは変えています。でも、仕組みそのものはちゃんと生きていて、いまも回っています。

目次

月の中身:夫婦それぞれ20万円を、クレカで自動

まず毎月の動きです。

夫婦それぞれ、楽天証券で月10万円をクレジットカードで積み立てます。新NISAのつみたて投資枠です。クレカ積立はポイントもつくので、入れるだけで少しお得になります。

ただ、クレカ積立は楽天証券だと月10万円が上限です。なので残りは、私はSBI証券とマネックス証券、妻はSBI証券で、同じくクレカ積立で特定口座に入れています。

つまり、ひとりあたり月20万円、夫婦で月40万円が、毎月勝手に投資に向かっていく。ここまでは完全放置です。一度設定したら、あとは何もしません。

年1回だけ手を動かす日:12月の「どかん」

全自動の中で、唯一手を動かすのが12月です。

新NISAは、つみたて投資枠とは別に、成長投資枠が年240万円あります。ここを埋めるために、12月、特定口座に積み立ててきたオルカンを売って、その代金でNISAの成長投資枠をどかんと埋めます。

要するに、その年に特定口座でコツコツ買ったオルカンを、年末にNISAへ引っ越しさせるわけです。夫婦それぞれ、つみたて枠120万+成長枠240万=年360万。2人で年720万のNISA枠を、毎年フルに埋めにいっています。

特定口座を売ると、利益には約20%の税金がかかります。だから本当は、含み損のある年に売って利益と相殺できると理想なんですが、ここ数年は含み益ばかりで、相殺の出番がほとんどありません。それでも引っ越しをやめないのは、NISAに移してしまえば、その後の値上がりがずっと非課税になるからです。目先の税金を払ってでも、将来の非課税のほうを取る、という判断です。

銘柄は、ほぼオルカン。スパイスでS&P500を少し、あとは米国の高配当株も気分でつまんでいます。でも背骨はオルカン一本です。

種明かし①:これだけ入れても、現金がほとんど減らない

ここで、自分でも面白いと思っていることを書きます。

毎年12月に、夫婦で何百万円もNISAに入れています。普通に考えたら、現金がごっそり減りそうなものです。ところが、待機している現金は、なかなか減りません。

理由はシンプルで、12月のどかんは「現金を使っている」のではなく、「引っ越しさせている」だけだからです。

特定口座にあったオルカンを売って、その代金でNISAを買う。お金は特定口座からNISAへ移っただけで、消えてはいません。だから何百万円ぶんNISAを埋めても、総資産は減らない。漏れるのは、売却益にかかった税金ぶんだけです。

本当に現金が出ていくのは、毎月のクレカ積立と、日々の生活費だけ。12月の派手な「どかん」は、見た目ほど現金を食っていなかったんです。

種明かし②:共働き時代は、入れるより入ってくるほうが多かった

もうひとつの理由は、もっと身も蓋もない話です。

共働きだったころは、夫婦の収入が、生活費と投資ペースの合計を上回っていました。だから、これだけ投資に回しても、現金はむしろ毎年積み上がっていった。減らないどころか、増えていたんです。

「年720万も投資してるのに現金が減らない、すごい仕組みだ」と思っていたんですが、半分はただ、稼ぎが投資ペースより多かっただけでした。

落とし穴:「現金1000万を7%で運用したつもり」は成立しない

では、収入が止まったらどうなるのか。セミリタイアに入って、この問いと正面から向き合いました。

最初、こんな皮算用をしました。「現金が1000万あって、特定口座に2000万ある。年利7%なら、合わせて年200万くらい増える。それで生活費をまかなえば、現金は減らないんじゃないか」と。

でも、これは間違いでした。

現金(預金)は、7%では回りません。利息はほぼ0%です。7%で働いてくれるのは、投資に入っているお金だけ。だから生まれる果実は、実質、特定口座の2000万円ぶんの約140万円だけです。前に「暴落を待って寝かせた現金は1円も働かなかった」という話を書きましたが、それと同じ理屈でした。

検証:収入ゼロでも720万を回し続けられるのか

我が家の生活費は、家賃込みで月35万円、年にして約420万円です。これをもとに、収入ゼロで計算してみました。

収入がないと、生活費420万円に、NISAのつみたて枠ぶん240万円の新規現金が乗って、年に約660万円が出ていきます。それを埋めてくれる投資の果実は、約140万円だけ。差し引き、年に500万円以上が目減りしていく。

現金1000万円は、2年もたずに底をつきます。特定口座を売って引っ越しを続けても、こちらも数年で尽きる。

つまり、現金1000万+特定口座2000万という規模では、収入ゼロのままこの仕組みを回し続けることはできません。届かないんです。

「理論上、減らない」が成立する境界線

では、いくらあれば「収入ゼロでも回り続ける」のか。

ざっくり、生活費を投資の果実だけでまかなえればいい、と考えると、年4%で取り崩す前提で逆算できます。

生活費420万円 ÷ 4% = 必要な投資元本、約1億500万円。

ここに届くと、生活費は資産の成長でまかなえるようになり、NISAへの引っ越し(年720万)は、その上に乗る「課税から非課税への最適化」になります。逆に言えば、1億にちょっと届かないくらいだと、収入ゼロで永久に、というのはまだ厳しい。

我が家は、ちょうどその1億が見えてきたあたりにいます。だから、収入がほぼゼロになるセミリタイアでも、それが1年だけなら、現金のクッションで余裕で吸収できる。実際、待機していた現金は1800万から1600万に減りましたが、慌てる感じはまったくありません。仕組みは、取り崩しフェーズでもちゃんと生きています。

いまは、クッションの現金は一定だけ残したうえで、毎月のクレカ積立とあわせて、特定口座の積み上げを少しずつNISAへ移している最中です。

これから:埋める枠は、むしろ増える

ちなみに、これで一段落、とはなりません。こどもNISAが始まれば、子ども3人ぶん、埋めたい枠はむしろ増えます。

エンジンは、まだしばらく回し続けることになりそうです。といっても、やることは変わりません。毎月は設定して放置、年1回12月だけ手を動かす。それだけです。

才能でも、相場観でもなく、順番と仕組み。我が家の運用は、たぶんこれからもずっと、地味なままです。


関連記事・装備品

夏のボーナス80万、どう動かすか。14年積立てた3児パパの答え
暴落を10年待ち続けた話。動かなかった現金の機会損失を、いま電卓で叩いてみた

自分が死んだら、まず何も売らないこと。妻に渡した「引き継ぎ書」の話
オルカンを淡々と積み立てる。これが連載の本丸です。まめ家の新人研修【第3話・積立編】
【家計戦略】こどもNISA2027開始。3児パパが立てた1人600万×3人分の活用プラン
📋 社内装備規程:経営企画部の装備を見る
👋 代表挨拶:まめ家の経営理念

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (2件)

コメントする

目次