正直に書くと、6年ほど前にNURO光を選んだのは、失敗でした。
速くて評判もいいし、悪い回線ではありません。ただ、我が家のように「光回線は安く乗り換えていくもの」と考える人間にとっては、相性が悪かった。そのことに、契約してからしばらく経って気づきました。
でも、そのおかげで光回線の仕組みがやっと分かった、というのが今日の話です。光回線の乗り換えを「2年で回す仕組み」にしてしまえば、あとは投資の積立と同じで、ほったらかしでもお得が続きます。
何が失敗だったのか
NURO光は、いわゆる独自回線です。フレッツ光やその仲間(光コラボ)とは別の線を引いています。速度面ではそれが強みなのですが、乗り換えのときに弱い。
具体的に言うと、NUROから別の光回線に乗り換えようとすると、工事なしの簡単な切り替えができません。一度解約して、新しい回線をまた工事から入れ直すことになります。我が家も、次の回線に移すときに、もう一度工事の立ち会いが必要になりました。これがめんどうでした。
つまり「次も安いところにひょいと移ろう」と思ったときに、毎回工事がついて回る。これでは、2年ごとに気軽に乗り換える、という戦い方がやりづらいわけです。
光回線の乗り換えには3種類ある
ここで、光回線の乗り換えのしくみを軽く整理しておきます。これを知っているかどうかで、ストレスがまるで違います。
| 種類 | どういうとき | 工事 |
|---|---|---|
| 転用 | フレッツ光から、光コラボ(ドコモ光・ビッグローブ光など)へ移る | 不要 |
| 事業者変更 | 光コラボから、別の光コラボへ移る | 不要 |
| 新規 | 回線がない状態から引く。独自回線(NUROなど)がからむ場合もここ | 必要 |
ポイントは真ん中の「事業者変更」です。光コラボ同士なら、承諾番号をもらって申し込むだけで、工事もなく、ルーターまわりの設定だけで乗り換えが終わります。
NUROが乗り換えに弱かったのは、この一覧の「事業者変更」のレールに乗れなかったからです。独自回線は、便利な乗り換えルートから外れてしまう。
だから、乗り換えやすいレールに乗り直した
そこで我が家は、いったんNUROを解約して、光コラボ回線に乗り換えました。NUROを離れる以上、ここはどうしても工事が必要でしたが、これで「事業者変更」のレールに乗れます。
そして先日、そのコラボ回線から、今のビッグローブ光へ「事業者変更」で乗り換えました。これが我が家にとって初めての事業者変更だったのですが、拍子抜けするほど簡単でした。今の回線に承諾番号をもらって、新しいところに申し込むだけ。工事の立ち会いもなく、ルーターまわりの設定をやり直したくらいで終わりです。
一度この楽さを味わうと、もう独自回線には戻れません。最初のNUROだけが、たまたま乗り換えに弱い選択だっただけで、コラボのレールに乗ってしまえば、ここから先は事業者変更で何度でも、工事なしのまま動いていけます。2年ごとにキャッシュバックの厚いところへ、ひょいひょいと。
失敗から学ぶというのは、こういう地味なことの積み重ねだなと思います。
実際にもらったキャッシュバックの中身
参考までに、今のビッグローブ光に事業者変更したときの特典を書いておきます。価格.com経由で申し込んだもので、内容はこうでした。
- キャッシュバック合計 9万9,500円(1回目:開通12か月目に3万円/2回目:24か月目に6万9,500円)
- 事務手数料(1,100円)が無料
事業者変更なので、もちろん工事費はかかりません。これらをならすと、実質の月額はおよそ1,300円台。光回線でこの水準なら、まあ文句はありません。
ただし、いいことばかりではありません。キャッシュバックには落とし穴があります。
キャッシュバックは「もらい忘れ」で台無しになる
このキャッシュバック、勝手に振り込まれるわけではないんです。
1回目は12か月後、2回目は24か月後。それぞれのタイミングで案内メールが届き、自分で口座を登録する手続きをして、はじめて振り込まれます。この手続きを忘れると、9万円超がまるごと消えます。事業者側も、正直、忘れてくれたほうが助かるわけです。
なので我が家は、契約したその場で、スマホのリマインダーに「12か月後」と「24か月後」を登録しました。これだけで、もらい忘れのリスクはほぼゼロになります。お得を取りに行くというより、お得を取りこぼさないための一手間です。
ここは「設定して忘れる」を地で行くところで、リマインダーにさえ仕込んでおけば、あとは通知が来たら手続きするだけ。仕組みにしてしまえば、意志の力は要りません。
乗り換え先は、3つの数字だけで選ぶ
乗り換え先を選ぶとき、口コミやら速度比較やらを深追いすると、沼にハマります。我が家は、ほぼ3つの数字だけで決めています。
- キャッシュバックの額
- 月額
- 縛りの期間
やることは単純で、契約期間でかかる総額からキャッシュバックを引いて、月数で割る。出てきた「実質の月額」がいちばん安いところを選ぶ。それだけです。
速度については、正直どこもほとんど変わらない、というのが何度か乗り換えてきた実感です。前の家はネット付きの賃貸でしたが、それも含めて、体感の差はほぼありませんでした。だったら、実質月額がいちばん安いところでいい。判断をシンプルにするほど、迷いも手間も減ります。
本気を出せば、光はいらないのかもしれない
ここまで書いておいて、ちゃぶ台を返すようですが。
我が家には、楽天モバイルの株主優待でもらえる、音声+データ30GBが月々使えるSIMがあります。最大1年間、無料です。理屈の上では、これでテザリングすれば、光回線は要らないのかもしれません。
それでも、光は引いています。スマートホームの機器がいくつもつながっているし、家族みんなが同時に動画を見ても止まらない快適さは、やっぱり手放せない。ここはケチっていません。
固定費を削るのは大事ですが、満足度まで下げる節約はしない、というのが我が家のルールです。月1万円の固定費を削るのは、4%ルールで逆算すると約300万円ぶんの運用資産を持っているのと同じ効果があります。だからこそ、削っていいのは「我慢にならない固定費」だけ。光回線のキャッシュバック乗り換えは、暮らしの快適さを一切下げずに効く、いちばん筋のいい節約だと思っています。
2年で乗り換えると決めたら、あとは回るだけ
結局のところ、これも投資と同じでした。
タイミングを毎回ゼロから悩むのではなく、「2年ごとに、実質月額の安いところへ事業者変更する」と先に決めてしまう。あとはリマインダーが教えてくれて、手続きをするだけ。設定して忘れる、を通信費でもやっているだけの話です。
最後に小ワザをひとつ。乗り換えるたびにWiFiのパスワードを家族のスマホへ入れ直すのが面倒、という人へ。iPhoneならWiFiの接続情報からQRコードを作れます。それを家族が読み取るだけで、パスワードを打たずに接続が終わります。乗り換えを軽くする、地味だけど効く一手です。
光回線は、一生付き合う固定費です。だったら、一度きりで悩むより、回る仕組みにしてしまったほうがいい。失敗したNUROが、それを教えてくれました。
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