我が家が英語を始めたのは、「毎年、家族で海外旅行に行く」という約束がきっかけでした。
目的が先にあって、そのために英語をやる。この順番が、たぶん我が家には合っていました。この2年で、オーストラリアと香港に行きました。今年は三女が生まれたので海外はお休みですが、英語の習慣だけは残っています。
ただ、ここにたどり着くまでに、いろいろ試して、いろいろ続きませんでした。せっかくなので、我が家の英語学習の軌跡を、試した順に正直に書いておきます。これから何か始めようとしている家庭の、遠回りを少し減らせたら。
ディズニー英語システム(長女のとき・中古で10万円)
最初に手を出したのが、いわゆるDWE、ディズニー英語システムでした。新品でそろえると数十万円する教材ですが、我が家は長女のときに中古で10万円ほどで買いました。
教材としての完成度は、さすがでした。歌も映像も作り込まれていて、英語を「浴びる」環境としては申し分ない。ただ、正直に費用対効果を言うと、「10万円ぶん使い倒したか」と聞かれると、うーんと唸ってしまいます。
親がかなり関わって、一緒に取り組んで、仕組みとして回して、初めて効果が出るタイプの教材だと思います。流しておけば勝手に話せるようになる、ものではない。我が家は途中で関わりが続かず、宝の持ち腐れに近い時期もありました。中古で買えたのが、せめてもの救いです。
オンライン英会話を3つ渡り歩いた(Kimini・クラウティ・QQ Kids)
次に試したのが、オンライン英会話です。3つ使いました。
- Kimini:きちんとした作りですが、子どもにとって内容が面白くはなかったようで、食いつきが弱かった。
- クラウティ:家族でアカウントを分け合える点はよかったのですが、予約が取りづらいことがあって、続けるリズムが作れませんでした。
- QQ Kids:これは一番楽しかったみたいです。ゲーム性があって、子どもの食いつきは3つの中で一番でした。
ただ、オンライン英会話そのものに、我が家は共通の壁がありました。
ひとつは、親の時間です。30分のレッスンを姉妹2人分。横についていると、それだけで1時間が消えます。夜のこの1時間は、地味に重い。
もうひとつが、「月に何回」という縛りです。回数が決まっていると、消化できなかった月に罪悪感が残るし、無理に詰め込むと負担になる。この縛りが、思った以上にストレスでした。
先生を選べるのは楽しい反面、当たり外れもありました。なかには小学生に文法の細かいところを延々とやらせる先生もいて、子どもがげんなりしていたこともあります。
マグナ英会話(無料のAIアプリ)
途中で、『マグナとふしぎの少女』というアプリも試しました。AIを使って、ゲームやアニメを楽しみながら、読む・聞く・書く・話すの4技能を学べる無料アプリです。英検5級から2級くらい(3,000語ほど)に対応していて、これが無料なのは太っ腹だなと思いました。
ゲームとして楽しめるので入り口としてはよかったのですが、我が家では「これ1本で固める」とまではいかず、結局飽きてしまいました。無料なので、合う・合わないを試すには手軽でおすすめです。
市販のドリル
並行して、市販の英語ドリルもやらせました。基礎問題や文法問題が中心で、安くて手軽なのはいいのですが、解説が薄い。親がつきっきりで教えないと、自主学習だけではなかなか身につきませんでした。「やった気にはなるけど、定着しない」典型でした。
そして今、スタサプに落ち着いた
いろいろ回り道をして、今いちばん続いているのが、スタディサプリ(スタサプ)です。
意外でした。映像授業を見て、問題を解く。塾の英語の授業を、家で聞いているような形です。なぜこれが続いたのか、理由は後でじっくり書きますが、ひとことで言えば「うちの娘たちに、合っていた」。
姉妹2人が同時にできて、しかも安い。これが家計的にも続けやすい。オンライン英会話のような「相手」がいないことに、むしろ娘たちは安心しているようでした。
ドラえもんの英語学習まんがは、地味にすごい
ここで一度、教材から離れます。我が家でいちばん「覚えた」実感があるのは、実はドラえもんの英語学習まんがでした。
全部で4冊あるのですが、長女はこれをかなり覚えています。先日スタサプをやっていて、「あ、これドラえもんに『I like shogi』って出てきた!」と言ってきたときは、笑ってしまいました。まんがで出会ったフレーズが、ちゃんと頭に残っている。
物語の中でフレーズに出会うと、状況とセットで記憶に残るのだと思います。机に向かう勉強より、好きなキャラクターのまんがのほうが、よっぽど定着することがある。我が家の「本で学ぶ」方針とも、きれいにつながりました。
単語は「すでに知っているカタカナ」と結びつける
単語については、親の関わり方をひとつ変えました。新しい単語として覚えさせるのではなく、「それ、もう知ってるよ」という形に持っていく。
- under は「アンダーウェア(下着)」のアンダー。「下」って意味だよ、と。
- pigeon(ハト)は、ポケモンの「ピジョン」。
- ground、water、rock、speed……日常生活は、英単語の宝庫です。
子どもは、知らない単語を覚えるのは嫌がるのに、「好きなものの中に英語が隠れていた」と気づくのは大好きです。我が家ではポケモンの英単語をリストにしてみたら、けっこう盛り上がったので、もっと作ろうと思っています。
カタカナ英語は発音の面では悪者にされがちですが、「とっかかり」としては最強です。すでに知っている言葉に橋をかけるだけで、子どもの「知ってる!」が増えていきます。
なぜ、スタサプが続いたのか
最後に、現時点での我が家の結論です。なぜ、あれだけ回り道をして、スタサプに落ち着いたのか。
ひとつは、「相手がいない」安心感。オンライン英会話は相手がいて、間違えると恥ずかしい。失敗を恐れる——いかにも現代の日本人らしいのですが、うちの娘たちはまさにそれで、人前で間違える緊張が、英会話のハードルになっていました。スタサプは一人で問題を解くので、その緊張がない。安心して間違えられる。
ふたつめは、分かりやすさ。論理的な娘たちには、文法から入って「なぜそうなるか」を理解する形が合っていました。会話から感覚で覚えるより、ルールを先に理解するほうが、性に合っている。
そして、これは大事な気づきなのですが、順番です。先に文法で土台と自信を作って、それから英会話に進むほうが、うちの子には合っている。いきなり会話に放り込まれると、失敗が怖くて固まる。でも「分かっている」という土台があれば、話すことにも踏み出せる。だからスタサプはゴールではなく、英会話の「前さばき」だと思っています。問題を安心して解くのが、意外と楽しそうなのも発見でした。
結局、いちばんの教材は「目的」だった
2年やってみて思うのは、どの教材が優れているか、よりも、続く目的があるか、のほうが大事だった、ということです。
我が家の場合、それが「毎年、家族で海外旅行に行く」でした。実際にオーストラリアや香港で、自分の英語が少し通じた経験は、どんな教材よりも子どものやる気に火をつけました。今年は三女がいるので海外はお休みですが、英語の習慣は残っています。
来年はまた、どこかへ行こうと思っています。たぶんそれが、我が家にとって、いちばんの英語教材です。
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