研修8日目です。守りの話も、今日で最後です。
ただ、今日のテーマを見て「あれ?」と思った人がいるかもしれません。保険料控除。私はこれまで何度も「生命保険なんて不要だ」と言ってきた人間です。その私が、保険の話?と。
先に種明かしをします。今日の話は、いわゆる「保障の保険」ではありません。保障がほとんどゼロの、ほぼ貯金みたいな商品を使って、「生命保険料控除」という税金の枠だけを拝借する、という話です。だから、私の保険不要論とは、まったく矛盾しません。順番に説明します。
まず大前提:保障の保険と、控除の貯金は別物
ここをはっきり分けるのが、今日の一番大事なところです。
死亡保障が必要ない人に、生命保険は要りません。これは前から言っている通りです。独身で、自分が死んでも経済的に困る家族がいないなら、保険は完全に不要。掛け捨ての保険料は、ただ出ていくだけのお金です。
そして、もう一つ強く言っておきたいこと。貯蓄型の保険は、絶対にやめたほうがいい。「保障もついて貯金にもなる」とうたう商品は、手数料が高く、保障も貯蓄も中途半端になりがちで、いいことがありません。
では、保障が本当に必要な人はどうするか。答えはシンプルで、保障は掛け捨ての保険で、最小限だけ確保する。そのうえで、公的保険(遺族年金など)でどこまでカバーされるか、自分が死んだら家族はいくら必要なのかを、ちゃんと数字で考える。このあたりは別記事に詳しく書きました。
今日の主役は、それとは別物です。「保障はおまけ程度しかないけれど、生命保険料控除の対象にはなる」という、貯金に近い商品。これを使って、税金の枠だけをいただく、という話です。
生命保険料控除という「枠」
会社員には、生命保険料控除という制度があります。生命保険料を払っていると、その年の所得税・住民税が少し安くなる仕組みです。
ざっくり言うと、年間8万円超の保険料を払うと、一般生命保険料控除の枠が満額になり、所得税の控除額が上限(4万円)に達します。住民税のほうも一定額が控除されます。払った保険料の一部が、税金の割引として戻ってくるイメージです。
ここで2026年の最新の話を。実は、23歳未満の子どもを扶養している子育て世帯は、2026年からこの控除の枠が広がります。所得税の一般生命保険料控除の上限が、4万円から6万円に引き上げられる時限措置です。子育て中の家庭にとっては、ちょうど追い風が吹いているタイミングです。
(※控除の金額や条件は人によって違い、制度も改正されます。正確な金額は国税庁や各社の最新情報で確認してください)
控除の枠を「貯金」で埋める2つの商品
では、どうやってこの枠を埋めるか。保障の保険に入りたくない私が使っているのが、この2つです。
ひとつめは、明治安田生命の「じぶんの積立」。これは、保障がほぼゼロで、中身はほとんど貯金という珍しい商品です。途中で解約しても払った分を下回らない(元本割れしない)うえに、満期まで持てば少し増えて戻ってきます。健康状態の告知も不要。「保険」という名前を借りた貯金箱、くらいに思っておけばいい。
もうひとつは、日本生命の「ちょこつみ」。こちらの強みは、クレジットカードで払えること。カード払いなのでポイントもつくし、何より、手続きがネットで完結します。
私自身、昔は「じぶんの積立」を5年間やっていました。今は「ちょこつみ」を使っています。どちらも、保障目的ではなく、あくまで控除の枠を埋めるための貯金として、です。
注意:保険の営業は、きっぱり断ること
ひとつ、現実的な注意を。
この手の商品を申し込もうとすると、対面だと保険の営業を受けることがあります。そこで「ついでにこちらの保障も」と、本来不要な保険を勧められるのが、いちばんの罠です。
大事なのは、「私は控除枠を埋める貯金がしたいだけです」と意思を明確にして、余計な保険はきっぱり断ること。私の場合は、最初に意思をはっきり伝えたのと、話の分かる担当の方だったので、しつこく営業されることはありませんでした。それでも不安なら、ネットで完結する「ちょこつみ」のような商品を選べば、営業に会うこと自体がありません。
やりすぎ注意:枠を超えたら意味がない
ここでも、これまでと同じくブレーキを。
控除の枠は、年8万円ぶんの保険料で上限に達します。それ以上いくら払っても、控除は増えません。「控除のために」とどんどん保険を増やすのは、目的と手段が逆さまです。
あくまで「使い切れる枠を、貯金で埋める」だけ。枠を超えた分は、いつものオルカン積立に回したほうがずっといい。制度は、使い倒すけれど、振り回されない。これが守りの基本姿勢です。
攻めも守りも、これで一周しました
さて、これで本編はおしまいです。
第0話で広げた地図を、もう一度だけ振り返ります。STEP1でレベル上げ(種銭)、STEP2で装備(口座)、STEP3でフィールドに出て(オルカン積立)、STEP4で貧乏神を寄せ付けない(固定費・節約・控除)。攻めと守りが、これで一周しました。桃鉄でいう、安定して長いゲームを走り続けられる陣形が、ようやく完成です。
最後に、7話を通していちばん伝えたかったことを書きます。
資産形成は、才能の問題じゃありません。順番を守って、仕組みを作って、あとは淡々と続けるだけ。私みたいなどこにでもいる事務職のサラリーマンでも、それだけで1億が見えるところまで来ました。特別なことは、何ひとつしていません。
そして、いちばん大事なのは、これをゲームの攻略みたいに楽しめるかどうかです。節約も、ポイ活も、株の優待も、苦行だと思った瞬間に続かなくなる。でも「どうやって攻略してやろうか」と面白がれたら、もう勝ったようなものです。順番を守れば、誰でもできる。あとは、楽しんだ者勝ちです。
次回は、いよいよ番外編。これまで何度か顔を出してきた「パートナー」の話です。どれだけ完璧な仕組みを作っても、隣にいる人と金銭感覚が合わなければ、全部が崩れる。共同経営の相方をどう選び、どう付き合うか。本編とはちょっと毛色の違う、でも一番大事かもしれない話をします。
それでは、最終回・番外編で。
※保険・税制の内容は人により異なり、改正もあります。加入や控除の判断は、国税庁・各保険会社の最新情報をご確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。
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