妻が3年休むのは当然だと思っていた。1年無職になった今、その意味を考えている

妻が3人目の育児で3年休むと決めたとき、私は何も言いませんでした。

正確に言うと、言う必要を感じませんでした。当然だと思っていたからです。

後で妻に「なんで何も言わないの」と聞かれました。休まないでほしいと思わないのか、3年も休むことに抵抗はないのか、と。

私の答えははっきりしていて、抵抗なんて1ミリもありませんでした。むしろ、できることなら3年フルで休んでほしい。そのために14年かけてお金を積み立ててきたつもりでした。

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育児がどれだけ大変か、3人目でようやく身に染みた

正直に書くと、長女のときの私はまだ「育児」の重さを甘く見ていたと思います。

それが2人になり、3人になって、ようやく分かってきました。乳児がいるというだけでも大変なのに、我が家にはその上に小学生が2人います。下の子の世話をしながら、上の2人の学習を見て、生活のリズムを整える。これは、大人2人がフルで動いてもまるで足りない仕事量です。

つわりで動けない時期がありました。帝王切開のあとは、傷が痛むなかで授乳をしていました。そして今も、夜に何度も目を覚ましています。これは過去の話ではなく、現在進行形の話です。

そのすべてを、妻はやっています。どんなに眠くても、子どものことを最優先にして頑張ってくれている。本当によくやっていると思います。

この状況を間近で見ていて、「3年休むのは当然」以外の感想が出てくる方が、私にはむしろ不思議です。

私も、会社を1年離れてみることにした

そして妻の育児に合わせるように、私自身もこの春から1年間、会社を離れています。

ブログ上では「事務職サラリーマン」を名乗っていますが、いまの私は正確には無職です。子どもが生まれたことをきっかけに、1年まるごと働かない期間を作ってみる——いわば「1年限定セミリタイア」を、自分の生活で実証している最中です。

セミリタイアには、正直あこがれがありました。資産形成を続けてきた人間なら、一度は「働かない生活ってどんな感じなんだろう」と想像したことがあるはずです。私にとってこの1年は、その実験でもあります。

そして、やってみて分かったことがいくつかあります。

お金より先に、時間がなくなっていく

まず、お金は普通に心配です。

収入がゼロになり、これまで積み立ててきた資産を取り崩しながら暮らす。資産形成のスピードが落ちるどころか、当面は逆回転します。インデックスのグラフが右肩上がりに伸びていくのを15年見てきた人間にとって、これは想像以上に落ち着かないものでした。なんとかなるとは思っていますが、心配がゼロかと言われると嘘になります。

ところが、実際に過ごしてみると、お金の心配よりも強く感じることがありました。

時間が、あっという間に過ぎていくのです。

「1年も休めるなんて、さぞ時間を持て余すだろう」と思っていました。とんでもありませんでした。子ども3人と一緒に過ごす1日は、驚くほど早く終わります。気づけば夕方で、気づけば1週間が終わっていて、気づけば1か月が経っています。

そして、その時間が想像以上に豊かなのです。お金は心配だけれど、この時間は今しか手に入らない。下の子が乳児でいる時間も、上の子が親と一緒にいてくれる時間も、来年には少しずつ形を変えていきます。

お金は取り崩せばまた積み直せます。でも、この時間は積み直せません。14年かけて貯めてきたものが、こういう場面で「選択肢」に変わるのだとしたら、私は悪くない使い方をしているんじゃないかと思っています。

育休中にやっておきたいこと

時間ができたぶん、私には1年でやっておきたいことがあります。

上の2人が、自分で学習できる仕組みをつくることです。

これは私のなかでずっと温めてきたテーマで、家庭のなかにきちんとした学習環境を整えたい。本棚も、机まわりも、子どもが自分から手を伸ばしたくなる導線にしたい。親がつきっきりで教えるのではなく、放っておいても勝手に学びが回っていく家にしたい。

幸い、時間だけはあります。この1年は、その土台づくりにあてるつもりです。

この選択ができたのは、14年の積み上げのおかげ

妻が3年休む。私も1年休む。文章にすると簡単ですが、収入がほぼゼロの状態で家族5人が1年以上を過ごすというのは、思いつきでできることではありません。

これができているのは、特別な才能があったからでも、運がよかったからでもありません。14年かけて、夫婦で家計を一つにして、毎月淡々と積み立ててきた。その地味な積み上げが、今この瞬間の選択肢になっています。

「投資は攻めじゃなく、家族の保険」と、私はずっと書いてきました。その保険が、いちばん大事な場面でちゃんと効いている。それを実感できているだけで、14年は無駄じゃなかったと思えます。

何も言わずにうなずいたあの日の私に、いま伝えるとしたら、こうです。

「その判断で合ってるよ。お金は減るけど、ちゃんと別のものが増えてるから」と。

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