「学資保険って、利率いいんだよ」
結婚前、妻はそう言っていました。
3児パパ・1億目前のまめ社長です。
12年前、結婚式の準備をしていた頃。
妻が「子どもができたら学資保険入りたい」と言いました。
「元本割れしないし、節税にもなるんだって」
正直、私もその時は「ふーん、いいんじゃない」と思っていました。
ところが、投資の勉強を進めて、ある日電卓を叩いて気付きました。
学資保険のIRR(実質利回り)は、0.5%。
新NISAは年5%が現実的に狙える。
18年で、167万円の差がつく。
我が家は結局、学資保険に入りませんでした。
代わりに、児童手当を全額NISAへ。
この記事では、「節税になるからお得」と言われる学資保険を、IRR・控除枠・機会損失の3つで完全分解します。
ついでに、こどもNISA 2027との比較もします。
💡 学資保険 vs NISAの基本比較は「学資保険 vs 新NISA」で書きました。本記事はその深掘り版・IRR分析の決定版です。
この記事でわかること
- 「返戻率105%」を IRRで分解すると年利0.5%だった
- 「節税で得」の落とし穴:すでに死亡保険入ってると効果ゼロ
- NISAとの差は驚異の167万円
- こどもNISA 2027でさらに差が広がる
- 学資保険が「ドアノック商品」と言われる理由
- 我が家が選んだ代替策(児童手当NISA・自分の積立)
結論:「貯蓄」と「保障」は分けるのが鉄則
最初に結論を出します。
| 観点 | 結論 |
|---|---|
| 学資保険のIRR | 0.5%(18年拘束) |
| 新NISAの期待利回り | 5%(取り崩し自由) |
| 18年後の差 | 約167万円 |
| 節税効果 | 控除枠が余っていれば年6,800円 |
| 推奨選択 | 貯蓄=NISA、保障=掛け捨て |
| 入るべき人 | 投資が怖い・絶対に手を付けたくない人 |
「学資保険=とりあえずOK」と判断する前に、数字で見てから決めましょう。
「18年で5%増」は、年利何%か(IRR分析)
まず、保険パンフレットに大きく書かれている「返戻率105%」の正体です。
「銀行よりマシ」と思われがちですが、複利の世界では、これは 驚くほど低い数字 です。
シミュレーション条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月額 | 1.5万円 |
| 期間 | 18年 |
| 支払総額 | 324万円 |
| 受取総額 | 340万円(返戻率105%) |
| 利益 | +16万円 |
これをIRR(内部収益率)に直すと
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| IRR(実質年利) | 約0.5〜0.6% |
| 比較:米国債(10年) | 約4% |
| 比較:定期預金(メガバンク) | 約0.025% |
| 比較:新NISA(オルカン) | 約5%(期待値) |
18年間、324万円をロック(拘束)して、リターンは米国債の足元にも及ばない。
これが、「返戻率105%」の正体です。
「節税で得」の落とし穴
ここで必ず出てくる反論があります。
「でも、年末調整で税金が戻ってくるじゃん!」
計算してみましょう。
年収500〜600万円(所得税率10%、住民税10%)の方が、学資保険で控除枠(一般生命保険料控除)をフルに使った場合:
節税効果の計算
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 所得税の軽減 | 約4,000円 |
| 住民税の軽減 | 約2,800円 |
| 年間の節税額 | 約6,800円 |
| 18年間の節税総額 | 約12.2万円 |
学資保険のフル装備メリット
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 学資保険の利益 | 16万円 |
| 18年分の節税額 | 12.2万円 |
| 合計メリット | 約28.2万円 |
これが、学資保険のMAXの実力値です。
衝撃の落とし穴:すでに死亡保険に入ってると、節税ゼロ
ここが最大のトラップ。
「年間12万円の節税」は、「一般生命保険料控除の枠が余っていたら」という前提です。
| 状況 | 節税効果 |
|---|---|
| 何も保険に入っていない | 12.2万円(フル発揮) |
| 死亡保険(定期・収入保障)に入っている | ゼロ |
| 終身保険に入っている | ゼロ |
| 既に他の生命保険で控除枠埋まっている | ゼロ |
つまり、すでに死亡保険に入っている家庭では、学資保険の節税メリットは存在しません。
「節税できるからお得」の前提は、最初から崩れている家庭が多いのです。
NISAとの「絶望的な差」
同じ月1.5万円を、新NISA(全世界株インデックス)で運用した場合との比較。
18年後の比較
| 項目 | 学資保険(節税込み) | 新NISA(年5%運用) |
|---|---|---|
| 元本 | 324万円 | 324万円 |
| 18年後の評価額 | 340万円 | 約519万円 |
| 利益 | 16万円 | 約195万円 |
| 節税効果 | 12万円 | 運用益が非課税 |
| 合計利益 | 約28万円 | 約195万円 |
その差、約167万円
| 計算 |
|---|
| 195万 − 28万 = 167万円の差 |
しかも、NISAは非課税で、いつでも取り崩せる。
学資保険は18年ロック、解約時に元本割れリスクあり。
学資保険を選ぶことは、「将来手に入るはずだった167万円を捨てる」ことと同義です。
💡 NISAの基本戦略は「【桃鉄で解説】新NISAは年始一括が正解の理由」で。
2027年こどもNISAでさらに差が広がる
ここが今、特に重要なポイント。
2027年1月から、こどもNISA(仮称)がスタート予定です。
| 項目 | 学資保険 | こどもNISA(2027年〜) |
|---|---|---|
| 対象 | 0歳から加入 | 18歳未満(予定) |
| 年間枠 | 月1.5万円≒年18万円 | 年120万円(予定) |
| 非課税 | 利益のみ部分的 | 運用益完全非課税 |
| 流動性 | 18年ロック | いつでも引き出し |
| 商品の自由度 | 保険会社の固定商品 | インデックスETFも可 |
つまり、2027年からは「子の教育資金は こどもNISAで運用」が標準になります。
「18年ロックの学資保険」を選ぶ理由は、もう本当にほとんど残らない。
💡 こどもNISA 2027の徹底活用は「【3児で1,800万円】2027年こどもNISA徹底活用法」で。
なぜ学資保険は売られ続けるのか:「ドアノック商品」の正体
これほど効率の悪い商品が、なぜ主力として売られ続けるのか。
答えは、保険会社にとって学資保険が 「ドアノック商品(営業の入り口商品)」 だからです。
営業の流れ
① 元本保証を好む親に、安心感のある学資保険を売る
↓
② そこでの利益は薄くても、接点ができる
↓
③ 信頼関係ができたら、利益率の高い商品を提案
↓
④ 外貨建て保険・終身保険・医療保険を売る
我が家でも、職場に保険の営業の方が定期的に来て勧めてくることがあります。
「お子さんいらっしゃるなら、学資保険どうですか?」と。
これは、「撒き餌としての側面」があることを理解しておく必要があります。
「外貨建て保険」も同様に注意
学資保険を入り口に、次に勧められるのが 「外貨建て保険」 です。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 表面的な利回り | 高そう(3〜4%とか) |
| 為替リスク | あり(円高で評価額が減る) |
| 解約控除 | 早期解約で大損 |
| 手数料 | 見えにくいが高額 |
結論:「外貨建てで増やしたいなら、外貨建て債券を直接買う」「保障が欲しいなら、掛け捨て保険」が普通。
「保険」と「外貨運用」を一緒にする必要はゼロです。
我が家の選択:児童手当をNISAへ、節税は別ルートで
ここからは、3児パパとしての実例です。
教育費の備え方
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| ① 児童手当 | 全額NISAへ |
| ② 家族手当 | 全額NISAへ |
| ③ 学資保険 | 入らない |
| ④ こどもNISA 2027 | 開始したら活用 |
💡 児童手当を投資する具体戦略は「「3人いると教育費3,000万」は嘘」で。
生命保険料控除を使った「節税ハック」
学資保険じゃない方法で、控除枠を使う賢い方法もあります。
| 商品 | 特徴 | 評価 |
|---|---|---|
| 明治安田の「じぶんの積立」 | 5年解約OK・返戻率約103% | ◎ |
| 第一生命の「ちょこ積み」 | 少額から、節税目的に特化 | ◯ |
私自身、「ちょこ積み」を今もやっています。
「じぶんの積立」も過去にやりました。
これらは 「節税枠を埋めるためだけ」 の商品。
学資保険のように 18年もロックされません。
| 戦略 | 内容 |
|---|---|
| 教育資金 | NISAで運用(流動性◎・利回り◎) |
| 節税枠 | 「じぶんの積立」「ちょこ積み」で埋める |
| 保障 | 掛け捨て保険(必要なら) |
→ 3つを別々にして、最適化する。これが鉄則です。
💡 生命保険を断捨離した話は「もし私が明日死んだら(生命保険不要)」で。
それでも学資保険が向く人
「完全否定」ではなく、入るべき人もいます。
| こんな人 | 理由 |
|---|---|
| 投資が怖くて絶対手を付けたくない | 強制力が必要 |
| お金があると使ってしまう人 | 強制積立効果 |
| パートナーを説得できない場合 | 妥協案として |
| 商品設計の理解が苦手 | シンプルさ |
| 心理的に「保険」の安心感が欲しい | 価値判断 |
数字だけが正解じゃない。
家庭の事情・心理的安心感を考えて、「入る選択」をする人もいます。
ただし、入る場合も:
| 注意点 |
|---|
| 「節税枠が余っているか」を確認 |
| 「外貨建て」には乗らない |
| 「終身保険セット」もNG |
| 月額は控えめに(5,000〜1.5万) |
| 他の運用とも併用する |
「学資保険1本だけ」は、やめておいた方が安全です。
まとめ:数字で判断できる親の最適解
| 結論 |
|---|
| 学資保険のIRRは0.5%、NISAは5% |
| 「節税で得」は、すでに死亡保険入ってる人にはゼロ |
| NISAとの差は18年で約167万円 |
| 2027年こどもNISAでさらに差は広がる |
| 学資保険は「ドアノック商品」、外貨建て保険には特に注意 |
| 教育費はNISA、節税は「じぶんの積立」等、保障は掛け捨て |
| 心理的安心感を重視するなら、入る選択もあり |
我が家は、結婚前に妻が「学資保険、利率いいんだよ」と言っていた状態から、結局入らない選択をしました。
代わりに、児童手当を全額NISAへ。3児育てながら資産1億目前まで来ました。
「インフレリスク」と「機会損失」を無視してまで、学資保険に固執する理由は、もはや少ないと思います。
「貯蓄=NISA」「保障=掛け捨て」「節税枠=別商品で埋める」。
この3分割が、数字で判断できる親の最適解 です。
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