名古屋港から苫小牧港まで、太平洋フェリーで往復してきました。行きは「いしかり」、帰りは「きそ」。船内で往路2泊、復路1泊です。
乗る前に心配していたのは、酔うことと、子どもたちが2泊も退屈しないかということでした。結果から言うと、どちらも杞憂でした。ただ、乗ってみて初めて分かったことがいくつもあったので、そのあたりを残しておきます。
予約は2ヶ月前の午前9時
太平洋フェリーの予約は、乗船日の2ヶ月前の同日午前9時に開放されます。夏休みに家族5人+車で乗ろうと思うなら、この開放初日に取るのが現実的です。うちも開放初日に押さえました。
今回は特別料金の設定はなく、往路104,300円・復路84,200円という差は、ほぼ部屋のグレード差です。往路は特等和室、復路は一等和室にしました。
特等和室と一等和室、違いは風呂
先に結論を書くと、次に乗るなら特等和室を選びます。
広さはどちらも布団を4枚敷けるくらいで、体感としてほとんど変わりません。それ以外に余ったスペースがあるわけでもないので、広さで悩む必要はあまりないと思います。料金差も大きくありませんでした。
決定的に違ったのは、往路の特等和室には部屋に風呂がついていたことです。復路は下の子(0歳)を大浴場に連れて行きましたが、これを部屋で済ませられるかどうかは、赤ちゃん連れにとって想像以上に大きい差でした。
車の積み込みは、想像よりずっと早く並ぶ
運転者は、かなり早めに車を待機列に入れる必要があります。名古屋港は出航の90分前、苫小牧港は120分前でした。そして並んでから乗り込むまで、けっこう待ちます。しかも待機場所は圏外に近く、正直かなり暇です。運転者だけが車で待ち、他の家族はターミナルで過ごす形になるので、運転手側の暇つぶしを用意しておくといいと思います。
ターミナルの居心地には差がありました。苫小牧には0歳児を転がしておける座敷スペースがあって本当にありがたかったのですが、名古屋にはこれがなく、待ち時間を潰すのが少ししんどく感じました。
なお、車検証の準備は不要でした。あと、事前に「船内は現金のみ」と聞いていたのですが、実際には完全にキャッシュレス対応されていました。
下船時も注意が必要で、車が出る順番は積み込んだ順で決まります。到着後の乗降場所はかなり混雑していて、最初は停める場所が見つかりませんでしたが、焦らず一周したらちょうどいい位置が空いていました。

電波は、あるようでない
洋上でもスマホの電波はたまに入ります。陸側の部屋のほうが入りやすい印象でした。ただし仙台を過ぎたあたりから一気につながりにくくなり、完全な圏外の時間帯が数時間ありました。楽天、povo、LINEMOと複数の回線を持ち込みましたが、どれも大きくは変わりません。アンテナが1本立つくらいの状態では、動画はぎりぎり見られるかどうかです。船内には有料Wi-Fiがあり、1,100円ほどでStarlink経由の通信が使えます。
ここから導かれる結論は一つで、Switchのソフトと、Amazonプライムビデオのダウンロード済み動画は、乗る前に必ず用意しておくべきだということです。オンライン前提のものは当てにできません。
船内での過ごし方、当たりとハズレ
大浴場が一番の当たりでした。そんなに混んでおらず、何度も入りました。海を眺めながら風呂に入れるというのは、それだけで移動時間が娯楽に変わります。
デッキは往路で子どもたちが大興奮でした。ただ復路は揺れていたこともあり、まったく興味を示さず一度も出ませんでした。
キッズルームは、マットが敷いてあるだけの簡素なものです。ただ「いしかり」ではおしりたんていの映画が延々とループ再生されていました。「きそ」には何もありませんでした。とはいえ、だいたい誰もいません。たまに数人来るくらいなので、0歳児を転がしておく場所としては非常にありがたい存在でした。
ゲームコーナーはUFOキャッチャーなどがありますが当然有料で、子どもたちは興味を示しませんでした。シアターも船内イベントも、うちの子には刺さりませんでした。
各フロアに椅子と机がそれなりの数あります。相部屋の方が主に使っている印象でしたが、空いていないということはありませんでした。
塗り絵や勉強道具も持ち込みましたが、意外と時間はあっという間に過ぎます。結果的に役立ったのは、個人で完結して遊べるSwitchやダウンロード動画のほうでした。



食事は、持ち込みと下船をうまく使う
往路1泊目の夕食と、翌日の昼食は持ち込みました。船内にはお湯とレンジがあるので、これで十分成立します。
翌日の夕食は、仙台の一時寄港で下船して食べました。事前に予約しておいた「たんや善治郎 多賀城店」です。ターミナルの近くにイオンもありますが、モールではなく買い物をするだけの場所なので、食事目的なら期待しないほうがいいと思います。
翌朝の朝食は、そのイオンで買い出ししたものを、予約していたカラオケルームで食べました。これは狙ってやったわけではなく、たまたま取れた時間帯がそこだったという結果論です。ただ、個室で家族だけで食事ができるのは想像以上に快適でした。
子供たちは船内のバイキングがお気に入りだったようです。そこそこ値が張りますが、確かにおいしいですし、時間つぶしになるのでなかなかよいです。
仙台寄港とカラオケ、この2つは予約が命
仙台港での一時寄港は、16時に下船して19時までに戻るというスケジュールでした。3時間あるようで、往復の移動を差し引くと実質は2時間ほどです。
ここで詰まったのがタクシーでした。港でタクシー待ちの列が大行列でした。配車アプリを入れておいたおかげで何とかなりましたが、これがなかったら食事の予約に間に合わなかったと思います。目的の店までは8分ほどでした。港に着いてから探すのではなく、事前にアプリを入れ、店も予約しておく。この2つはセットで準備しておくことをおすすめします。
カラオケルームも同じで、乗船後にインフォメーションで予約する仕組みですが、2日目の枠はすでに埋まっていました。取れたのは3日目の午前で2時間です。乗船したらまず予約に行く、くらいの気持ちでちょうどいいと思います。
コインランドリーもありましたが、混んでいてなかなか空きません。長期滞在なら、下船してから現地のランドリーを使うほうが確実です。うちはウィークリーマンションに洗濯機がついていたので、乾燥だけコインランドリーで済ませました。

復路は、台風が近づいていました
往路は誰一人酔いませんでした。揺れがまったくないわけではないのですが、大きな船は思っていたよりずっと安定しています。
一方、復路は台風が迫っていたこともあり、そこそこ揺れました。何より波が船体に当たる音が大きく、これは印象に残っています。眠ることはできましたが、翌朝は少し食欲が落ちました。
酔い止めは大人がアネロン、子どもたちはトラベロップを飲んでいました。下の子(0歳)には飲ませていません。赤ちゃんは三半規管が未発達なので酔いにくい、という話を信じました。結果として問題ありませんでした。復路の揺れの中では、飲んでおいて助かったと素直に思いました。
子どもたちは怖がりこそしませんでしたが、揺れはそれなりに気になっていたようです。
「いしかり」と「きそ」の差
同じ航路でも船が違います。往路の「いしかり」のほうがきれいでした。とはいえ差が出るのは主に水回りで、それ以外はほとんど気になりません。船内の全体的な雰囲気や設備の考え方は共通していて、配置が少し違う程度です。日程を「いしかり」に合わせて組み直すほどの差ではない、というのが正直な感想です。
次も、フェリーで行きます
行き先に強いこだわりがなくて、まだ子どもが飛行機に乗るには早い時期なら、フェリーはかなりいい選択肢だと思います。車ごと運べるので現地での自由度が高く、移動時間そのものが体験になります。
部屋は特等和室をおすすめします。それ以外に、今回の選択で後悔しているものはありません。
唯一の不安要素は天候です。往路か復路のどちらかだけ欠航になると、行程が一気に破綻します。うちの場合は札幌でウィークリーマンションを10泊押さえていたので、欠航していたらかなり厳しいことになっていました。フェリーを使う旅程を組むなら、この一点だけは頭の片隅に置いておいたほうがよさそうです。
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太平洋フェリー旅行記シリーズ(近日公開・順次リンク化予定)
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